アタックリストとは|作り方と優先順位の付け方、営業リストとの違い
アタックリストは、営業リスト(営業先候補の一覧)の中から、実際にアプローチする企業を選び、攻める順番と担当・次の行動を書き込んだ一覧です。 営業リストが「誰に営業できるか」の一覧なら、アタックリストは「どの会社から、いつ、誰が攻めるか」を決めた一覧です。
集めた営業リストを上から順に電話していて、有望な会社に手が回らないと感じていませんか?この記事では、営業リストとの違い、入れる項目、作り方の5つの手順、点数による優先順位の付け方と更新のしかたを、計算の例つきで紹介します。情報は2026年11月時点のものです。
公開されている企業情報から自動収集するリスト作成ツールUrizo(ウリゾウ)なら、
業種とエリアで絞った営業リストをもとにアタックリストを作れます
アタックリストの意味と営業リストとの違い
アタックリストは、営業リストを自社の条件で絞り、攻める順番を付けた一覧です。営業リストより件数が少なく、1社ごとに担当者と次の行動が決まっています。 営業の現場では「ターゲットリスト」と呼ぶこともあり、英語の target account list(ターゲットアカウントリスト)に近い意味です。会社によっては営業リストと同じ意味で使うこともありますが、この記事では「攻める順番まで決めた一覧」として説明します。
たとえば業種と地域で2,000社の営業リストを集めても、そのうち自社の商材が合う会社は一部です。2,000社から条件に合う600社を残し、さらに今月電話する60社を選んだものがアタックリストになります。名簿の呼び方ごとの違いを表にまとめました。
| 呼び方 | 載っている相手 | 決まっていること |
|---|---|---|
| 営業リスト | 業種・地域などで集めた営業先候補(まだ接点がない会社が中心) | 連絡先と基本情報 |
| アタックリスト | 営業リストのうち、条件に合い、これから攻める会社 | 攻める順番・担当・次の行動と期限 |
| 見込み客リスト | 資料請求や商談などで接点ができ、検討の段階が分かる相手 | 関心の度合い・フォローの予定 |
| 顧客リスト | 取引が始まった会社 | 契約内容・購入履歴 |
営業リストそのものの集め方は 営業リストの作り方4ステップ で、接点ができた相手の管理は 見込み客リストの作り方 で紹介しています。アタックリストで決めるのは、その間にある「集めた候補から、どの会社をどの順番で攻めるか」です。
アタックリストを作るメリット
営業活動に使える時間には限りがあり、1日に電話できる件数やDMを送れる件数も決まっています。順番を決めずにリストの上からかけていくと、条件の合わない会社に時間を取られ、受注につながりやすい会社への連絡が翌月に回ることがあります。アタックリストで先に順番を決めておけば、限られた件数を有望な会社に回せます。
1社ごとに担当と次の行動を書いておくので、同じ会社に2人が電話する、断られた会社に翌週また電話するといった重なりも減ります。どの条件の会社でアポが取れたかが残るため、次に作るアタックリストの条件も数字で見直せます。
アタックリストに入れる項目
項目は、連絡に使う「基本情報」、順番を決める「判断材料」と「優先度」、営業を進める「行動の記録」に分けて用意します。判断材料と優先度の列があることが、営業リストとの違いです。 表計算ソフトで作るなら、1社を1行にし、次の列を左から並べます。
| 分類 | 主な項目 | 使い方 |
|---|---|---|
| 基本情報 | 会社名・電話番号・所在地・業種・Webサイト・法人番号 | 連絡と、重複の確認に使う |
| 判断材料 | 従業員規模・拠点数・設立年・最近の動き(移転・新店・採用など)・既存の取引の有無 | 点数を付け、攻める順番を決める |
| 優先度 | 点数・ランク(A・B・C)・点数の根拠のメモ | 今月攻める会社を選ぶ |
| 行動の記録 | 担当者・次の行動と期限・連絡した日・結果・断られた理由 | 二重の連絡を防ぎ、次の条件の見直しに使う |
列の作り方を一から考えたくない方は、 営業リストのテンプレート をもとに、判断材料と優先度の列を足すと早く作れます。
公開情報だけでは埋まらない項目がある
判断材料の列は、公開情報から集めただけでは埋まらないことが多い項目です。Urizo が収集した企業データ(2026年11月時点、掲載サイトごとに項目の有無を集計)では、住所はほぼすべての企業で分かります(電話番号は企業を見分けるのに使っているため、すべてに入っています)。一方、FAX番号が載っていたのは約16%、メールアドレスは約7%、Webサイトは約21%でした。また、会社ごとにまとめたデータでも、代表者名・資本金・従業員数はほとんどの企業で分かりません。
そのため、規模や資本金で絞り込む条件は、集めたリストだけでは判断できません。規模で絞りたい場合は、上位の候補だけ会社のWebサイトの会社概要で従業員数を確かめるなど、点数を付ける段階で人が補う前提にしておきましょう。連絡手段も、FAXやメールより電話と郵送で届く会社が多いので、手段ごとに届く社数を先に見積もっておきます。
アタックリストの作り方(5つの手順)
必要な社数を決め、狙う企業の条件を決め、営業リストから絞り、点数でA・B・Cに分け、担当と次の行動を入れる、の5つの手順で作ります。 下の図は、各手順を飛ばしたときに起きやすいことも並べたものです。
ステップ1. 必要な社数を決める
最初に、今月何社を攻めるかを決めます。目標のアポ数を、過去の「電話した社数に対するアポの割合」で割ると、必要な社数の目安が出ます。計算のしかたは後の「アタックリストに必要な社数」で例を挙げています。
社数を先に決めておかないと、集めた候補を全部アタックリストに入れてしまい、月末になっても多くの会社に手が付かないまま情報が古くなります。担当者が1か月で連絡し切れる社数を上限にしてください。
ステップ2. 狙う企業の条件を決める
次に、どんな会社を攻めるかを条件にします。いちばん確かな手がかりは、すでに受注した顧客です。受注した会社の業種・地域・規模・導入のきっかけを並べ、共通点を条件にします。顧客がまだ少ない場合は、商材を使う場面から「この業種でこの規模なら使う」という仮の条件を決め、結果を見て直します。
- 業種: 受注した顧客の上位2〜3業種に絞る(日本標準産業分類の中分類くらいの粒度)
- 地域: 訪問する商材なら、移動できる範囲の市区町村に限る
- 規模: 従業員数や拠点数の下限・上限を決める(公開情報で分からない会社は「不明」にする)
- 外す条件: 既存の取引先、取引を断られた会社、競合の会社
条件があいまいなまま進めると、電話のたびに「この会社は対象か」を確かめることになり、1社にかかる時間が延びます。
ステップ3. 営業リストから絞る
条件が決まったら、営業リストから条件に合わない会社を外します。業種と地域で集めたリストを使い、ステップ2の「外す条件」に当たる会社を、既存の顧客リストと照らし合わせて除きます。営業リストがまだない場合は、 営業リストの作り方4ステップ の手順で、業種と地域を決めて集めるところから始めます。
絞るときは、同じ会社が複数の行に入っていないかも確かめます。電話番号か法人番号で並べ替えると重なりが見つかります。重複したまま担当を割り振ると、同じ会社に2人から電話がかかり、相手に不信感を与えます。外した会社は消さずに別のシートへ移し、外した理由を書いておくと、条件を変えたときに戻せます。
ステップ4. 点数を付けてA・B・Cに分ける
残った会社に点数を付け、A(今月中に攻める)・B(資料やDMで温めてから攻める)・C(保留)の3つに分けます。点数の付け方は次の「点数で分ける優先順位の付け方」で詳しく紹介します。
Aランクは、ステップ1で決めた社数に収まるようにします。点数の高い会社がステップ1の社数より多ければ、点数の基準を上げるか、Bに回します。少なければ、Bの上位からAに上げます。ランクの数を5つ以上に増やすと、どのランクにどう対応するかが決めにくくなるので、3つで始めるのがおすすめです。
ステップ5. 担当と次の行動を入れる
最後に、Aランクの会社ごとに担当者と「次に何をするか」「いつまでに」を入れます。「電話する」だけでなく「火曜の午前に代表番号へ電話し、総務の担当者の名前を聞く」くらい具体的に書くと、担当が替わっても続きから動けます。
Bランクには、資料の郵送やFAXDMなど、電話より手間の少ない手段を割り当てます。反応があった会社をAに上げる、と決めておくと、Bに入れたまま放っておくことがなくなります。電話でのアプローチを外部に任せたい場合は、 テレアポ代行サービス にアタックリストを渡して進める方法もあります。
点数で分ける優先順位の付け方
「条件に合う度合い」「今が営業の時期か」「連絡が届くか」の3つを0〜2点で採点し、合計点で並べます。まだ接点のない会社は関心の度合いが分からないので、公開情報から分かることで点を付けます。 接点ができた見込み客の点数の付け方(問い合わせや資料請求などの関心で付ける方法)は 見込み客リストの作り方 で紹介しています。
| 観点 | 2点 | 1点 | 0点 |
|---|---|---|---|
| 条件に合う度合い | 業種・地域・規模がすべて受注した顧客と同じ | 業種は同じだが規模が分からない | 条件の一部しか合わない |
| 営業の時期 | 設立・移転・新店・採用など、ここ半年の動きがある | 決算期や更新の時期が近いと分かっている | 時期の手がかりがない |
| 連絡が届くか | 部署の番号や担当者名が分かる | 代表番号と所在地だけ分かる | 電話番号が分からない |
合計5〜6点をA、3〜4点をB、0〜2点をCにするのが目安です。点数は「どこから先にかけるか」を決めるためのもので、低い点の会社を営業先から外すためのものではありません。
図は、2,000社の営業リストからAランクの60社が残るまでの流れの例です。件数は、自社の目標と体制に合わせて変えてください。
3社で点数を付けてみる
オフィス向けの商材を、従業員30〜100人の製造業に売っている会社を例にします。受注した顧客の多くが、拠点を増やした直後に導入していたとします。
| 会社 | 分かっていること | 点数 | ランク |
|---|---|---|---|
| 会社ア | 製造業・営業エリア内・従業員約50人・先月第2工場を開設・代表番号のみ | 2+2+1=5点 | A |
| 会社イ | 製造業・規模は不明・動きは分からない・総務部の番号あり | 1+0+2=3点 | B |
| 会社ウ | 卸売業・従業員約20人・電話番号なし(所在地のみ) | 0+0+0=0点 | C |
会社アは今月中に電話し、会社イには工場向けの事例をまとめた資料を郵送して反応を見ます。会社ウは条件から外れるので保留にし、郵送DMで足りる商材なら別の機会に送ります。
「営業の時期」の手がかりが分かる情報源
時期の点は、優先順位を大きく動かす項目です。今まさにニーズがある会社ほど、話を聞いてもらいやすいためです。設立したばかりの法人は、事務用品や通信回線、会計の仕組みなどをこれから選ぶため、営業の時期に当たりやすい相手です。新設法人は、国税庁の 法人番号公表サイト で、法人番号が指定された日付(設立日とは限らず、設立日より後になるのが普通です)から調べられます。データの使い方は 利用規約 に定められています。新設法人の集め方は 新設法人リストを無料で作る方法 で紹介しています。
移転や新店、採用の募集は、会社のWebサイトのお知らせやプレスリリースに出ることがあります。民間のサイトの掲載情報を使う場合は、使う前に、各サイトの利用規約を確かめてください。
点数の付け方は結果で直す
最初に決めた点数の基準は仮のものです。1か月たったら、ランクごとに「電話した社数」と「アポの数」を数え、Aのアポの割合がBより高くなっているかを確かめます。差がなければ、点数の基準が受注につながる会社を選べていないということです。
たとえば「時期」の点が高い会社でアポが多く、「規模」の点はアポとあまり関係がなかったなら、時期の点を3点満点に増やすなど配点を変えます。テレアポの成功率の見方は、 テレアポ成功率の目安 で紹介しています。
アタックリストに必要な社数
アタックリストの社数は、目標のアポ数を自社のアポの割合で割って決めます。担当者が1か月で連絡し切れる社数を超えたら、超えた分はBランクに回します。 決まった正解の社数はないので、自社の過去の結果から計算します。
必要な社数の計算の例
過去3か月に300社へ電話してアポが6件取れていたなら、アポの割合は2%です。今月4件のアポを取りたい場合は、4件÷2%で200社が必要になります。
| 項目 | 例 | 自社の数字の出し方 |
|---|---|---|
| 今月の目標のアポ数 | 4件 | 受注の目標と、アポから受注になる割合から逆算する |
| 電話した社数に対するアポの割合 | 2%(300社で6件) | 過去3か月の結果を数える |
| 必要な社数 | 200社 | 目標のアポ数 ÷ アポの割合 |
| 1社に電話する回数 | 3回まで | 不在のときに何回かけ直すかを決める |
| 必要な電話の回数 | 最大600回 | 必要な社数 × 1社に電話する回数 |
担当者1人が1日に電話できる回数が40回、稼働日が20日なら、1か月で800回です。600回なら1人で回せますが、ほかの業務もあるなら2人で分けるか、社数を減らします。記録がまだない場合は、最初の1か月を「アポの割合を測る月」と決め、少なめの社数で始めます。
アタックリストの更新方法
アタックリストは、連絡のたびに結果を書き込み、月に1回、点数とランクを付け直して更新します。結果に応じて「次にいつ連絡するか」を決めておくと、断られた会社に何度も連絡することも防げます。 結果を自由に書くと集計できないので、結果は決まった言葉から選ぶようにします。
| 結果 | 次の行動の例 |
|---|---|
| 不在・つながらない | 曜日と時間帯を変えて、翌週にかけ直す |
| 担当者が分かった | 担当者名を記録し、担当者あてに改めて連絡する |
| 資料を送ることになった | 資料を送り、1週間後に届いたかを確認する |
| 今は不要と言われた | 理由を記録し、Cランクにして数か月は連絡しない |
| 営業を断られた | 連絡しない会社として印を付け、ほかの担当者にも分かるようにする |
| アポが取れた | 見込み客として管理する一覧へ移す |
再び連絡するまでの間隔は、社内のルールとして決めておきます。上の表の「数か月」も一例です。電話がつながりやすい曜日や時間帯は、 テレアポの時間帯 で紹介しています。
情報が古くなった会社を見直す
アタックリストに入れた会社も、移転や廃業で連絡先が変わります。東京商工リサーチの 2025年「休廃業・解散企業」動向調査 (2026年1月発表)では、2025年に休廃業・解散した企業は6万7,210件で、前年より7.2%増えました。電話が「現在使われておりません」になった会社は、その場で印を付け、月に1回の更新のときにリストから外すか、新しい連絡先を調べ直します。
点数とランクの付け直しも、月に1回の更新でまとめて行います。今月アポにならなかったAランクの会社をBに下げ、Bで反応があった会社をAに上げます。条件に合う会社が足りなくなったら、営業リストを集め直すところまで戻ります。
アタックリストでよくある失敗
よくある失敗は、営業リストをそのままアタックリストにする、点数を見直さない、担当と期限を決めないなど、次の5つです。どれも、作るのにかけた時間が成果につながらない原因になります。
- 営業リストの全件をアタックリストにする: 2,000社を全部Aにすると、担当1人で月800回の電話では半分以上が手付かずのまま残り、翌月には情報が古くなる
- 点数を付けたまま見直さない: Aのアポの割合がBと変わらなくても気づかず、受注につながらない条件で選び続ける
- 担当と期限を決めない: 「誰かが電話するだろう」と全員が考え、Aランクの会社に1か月誰も連絡しない
- 結果を自由に書く: 「感触よし」「また今度」などばらばらの書き方では、どの条件でアポが取れたかを数えられない
- 断られた会社に何度も連絡する: 担当が替わったときに記録を見ずに電話し、会社として信用を落とす
どれも、アタックリストに「行動の記録」の列を作り、月に1回の見直しを予定に入れておけば防げます。
よくある質問
アタックリストについて、よく聞かれる4つの質問にお答えします。言い換えの呼び方、エクセルでの作り方、購入したリストの使い方、無料で作る方法です。
アタックリストは言い換えると何ですか?
ターゲットリストとほぼ同じ意味で使われます。英語の target account list に近い意味です。社内で営業リストと同じ意味で使っている会社もあるので、使う前に「候補の一覧」なのか「攻める順番まで決めた一覧」なのかをそろえておきましょう。
アタックリストはエクセルで作れますか?
作れます。エクセルでもGoogleスプレッドシートでも、1社1行にし、判断材料・点数・ランク・担当・次の行動の列を作ります。ランクや結果の列は入力規則で選択式にすると、書き方がそろって集計しやすくなります。同じ会社の重複は、電話番号の列で COUNTIF 関数を使うと見つけられます。担当者が増えて同時に更新するようになったら、SFA・CRM(営業や顧客の管理ツール)への移行を考えます。
購入した営業リストをアタックリストに使えますか?
使えます。ただし購入したリストも営業先候補の一覧なので、そのまま全件に連絡せず、条件で絞り、点数を付けてから使います。購入する前に確かめることは 営業リストを購入する前に確認すべきポイント にまとめています。
アタックリストは無料で作れますか?
作れます。法人番号公表サイトなどの公的なデータや、自社の顧客・名刺のデータを営業リストにし、エクセルで点数とランクを付ければ費用はかかりません。法人番号のデータには電話番号が入っていないので、電話番号は各社のWebサイトなどで調べます。無料で使える情報源は 営業リスト・企業リストを無料で作る方法 で紹介しています。集める手間を減らしたい場合は、収集ツールで営業リストを集め、点数付けだけを手作業にする方法もあります。
まとめ
アタックリストは、営業リストを自社の条件で絞り、点数でA・B・Cに分けて、担当と次の行動を決めた一覧です。月に1回、結果をもとに点数とランクを付け直して育てていきます。 社数は目標のアポ数と自社のアポの割合から計算し、担当者が連絡し切れる数に収めましょう。
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