新設法人リストの入手方法|無料で集める方法と購入・収集ツールを比較
新設法人リストは、国税庁の法人番号公表サイトや官報を使えば無料で入手できますが、電話番号や業種の絞り込みまで自分で行う手間がかかります。 まとまった件数を業種・地域で絞り込んで使いたい場合は、購入や収集ツールも選択肢に入ります。新設法人リストの特徴と、無料・購入・収集ツールそれぞれの入手方法を解説します。
公開されている企業情報から新設法人だけを条件付きで抽出できます。
無料版でも1,500件まで実際に収集できます
新設法人リストとは?一般的な企業リストとの違い
直近で設立された法人だけに絞った企業リストで、既存の取引先が付きにくい「まっさらな新規開拓先」として使われます。
一般的な企業リストが業歴の長い企業も含む全法人を対象にするのに対し、新設法人リストは設立日を基準に絞り込んだものです。設立して間もない企業は、税理士・社会保険労務士・オフィス什器・法人保険・Web制作など、法人運営に必要なサービスをまだ選定していないケースが多く、営業をかけるタイミングとして狙われやすい層です。
一方で、設立直後は企業HPや求人情報がまだ整っておらず、電話番号や事業内容などの情報が薄いという特有の制約もあります。一般的な企業リストの集め方は
新規顧客開拓における企業リストの集め方|情報源の種類を解説
で解説しているので、本記事では「新設法人」に絞った情報源と注意点を中心に解説します。
新設法人リストが特に活用されるのは、税理士・社会保険労務士・司法書士といった士業、法人向けオフィス什器・複合機のリース会社、法人保険の代理店、名刺・会社案内などのWeb制作会社です。いずれも「法人設立のタイミングでしか決めない」「一度契約すると長期間切り替えない」商材のため、業歴の長い企業への飛び込み営業よりも成約につながりやすいという特徴があります。
新設法人リストを無料で入手する方法
国税庁の「法人番号公表サイト」と官報の「決算公告・設立公告」が、新設法人の情報を無料で確認できる代表的な公式情報源です。
| 情報源 | 取得できる情報 | 特徴 |
|---|---|---|
| 国税庁 法人番号公表サイト | 商号・所在地・法人番号(基本3情報)+法人番号指定年月日 | 全国の法人が対象。CSV一括ダウンロードやWeb-API連携も可能 |
| 官報(号外・本紙) | 設立公告・商号・所在地 | 新設分割等の公告が中心で、通常の設立では掲載されない法人も多い |
| 都道府県・市区町村の公表情報 | 入札参加資格者名簿等に限定 | 対象が公共調達関連の法人に偏り、新設法人全般はカバーしない |
国税庁 法人番号公表サイトの使い方
「国税庁 法人番号公表サイト」で法人番号を検索すると、商号・所在地・法人番号の「基本3情報」を無料で確認できます。トップページの「ダウンロード」機能を使えば、都道府県単位で全法人データをCSV形式で一括取得でき、収録されている「法人番号指定年月日」を新設法人の目安として使えます。
「法人番号指定年月日」は実際の設立年月日そのものではない点に注意が必要です。
法人設立から法人番号が指定されるまでにはタイムラグがあり、新設分割・組織再編など通常設立以外のケースでは差が大きくなることもあります。正確な設立年月日が必要な場合は、後述する商業登記情報で個別に確認してください。電話番号・業種・従業員数も含まれていないため、営業先として使うには他の情報源で個別に補う必要があります。
NG例
:CSVの「法人番号指定年月日」をそのまま設立年月日として扱い、実際の設立時期とのズレを考慮せず架電計画を立ててしまった。
OK例
:指定年月日が直近のものを一次抽出したうえで、優先度の高い法人だけ商業登記情報で正確な設立年月日を確認してから架電計画を立てた。
官報公告を使う場合の注意点
官報には新設分割や組織再編に伴う設立公告が掲載されますが、通常の株式会社設立ではそもそも官報掲載の義務がないため、新設法人の網羅的なリストにはなりません。
無料で確認できるのは国立印刷局の「インターネット版官報」で、発行から直近90日間の号を無料で閲覧できます。
ただし無料版にはキーワード検索機能がなく、日付を1号ずつ指定して本文を確認する運用になるため、新設法人を横断的に洗い出す用途には向きません。
90日より前の号やキーワードで横断的に探したい場合は、有料の「官報情報検索サービス」(国立印刷局運営、月額2,200円)を使う必要があります。昭和22年5月3日以降の官報を日付・記事(キーワード)で検索できますが、これも設立公告が実際に掲載されている法人に限った検索です。通常設立の法人まで含めた網羅的なリストは作れないため、官報は法人番号公表サイトを補完する情報源として位置づけ、メインの取得元にはしないほうが現実的です。
業種・地域で絞り込みたい場合
国税庁のデータには業種情報が含まれないため、業種で絞り込みたい場合は企業HPや求人情報など別の情報源と突き合わせる作業が必要になります。
- 企業HP・採用ページ: 設立直後でも簡易なHPを公開している企業があり、事業内容の手がかりになる
- 求人サイトの新着求人: 設立直後に採用募集を出す企業は事業内容・所在地・連絡先が分かりやすい
- 商業登記情報(登記情報提供サービス): 有料だが目的(事業内容)が正確に確認できる
地域を絞り込みたい場合は、法人番号公表サイトのCSVに含まれる所在地の都道府県・市区町村の列でフィルタするだけで対応できます。業種の絞り込みに比べて作業負荷が小さいため、まず地域で母数を絞ってから業種の突き合わせに進むと、全体の作業時間を抑えられます。
自社で1件ずつ突き合わせるのは手間がかかるため、業種・地域を条件に指定して自動で企業情報を収集する Urizo(ウリゾウ) のようなツールを使うと、設立年月日を含む複数条件で絞り込んだリストを効率よく作成できます。
電話番号は入手できる?新設法人リストの限界
設立直後の法人は、電話番号が公開されているWebサイトや求人情報を持たないことが多く、一般的な企業リストに比べて電話番号の取得率が低くなります。
- 電話番号の掲載率が低い: 企業HPや求人情報が未整備な設立直後は、電話番号を確認できる情報源自体が少ない
- 固定電話を持たない場合がある: 設立直後はバーチャルオフィスや携帯電話番号のみで運営している法人もある
- 情報の更新頻度が重要: 数ヶ月後には企業HPが整備され電話番号が公開されることもあるため、一度取得できなかった法人でも再度情報源を確認する価値がある
電話番号を前提にテレアポで新設法人にアプローチしたい場合は、電話番号の取得可否をあらかじめ低めに見積もったうえで、DM・郵送などの代替手段も組み合わせる計画を立てておくと、想定件数割れを防ぎやすくなります。設立直後ほど取得率は低く、企業HPの整備が進むにつれて取得率が上がっていく傾向があるため、一度電話番号が確認できなかった法人も候補から外さず、情報源を定期的に見直すとよいでしょう。
購入・収集ツールを使う場合の費用比較
新設法人リストを販売する業者から購入する方法と、収集ツールで条件を指定して都度収集する方法があります。単発で少量なら購入、継続的に必要なら収集ツールが総額を抑えやすい傾向です。
| 方法 | 費用目安 | 特徴 |
|---|---|---|
| 新設法人リストの購入 | 1件5〜10円程度(都度発生) | 電話番号や業種まで整備済みのリストを短時間で入手できる |
| 自作(国税庁データ+手作業) | 実質は人件費のみ | 費用は抑えられるが、業種・電話番号の補完に時間がかかる |
| 収集ツール | 月額制、継続利用ほど1件単価が下がる | 設立年月日を含む複数条件で継続的に収集できる |
購入・収集ツールを選ぶ際に共通して確認すべきポイントは
テレアポリストを購入する前に確認すべきポイント|費用相場・収集ツールとの比較
でも詳しく解説しています。名簿業者と収集ツールの違いは
名簿業者から購入するより、収集ツールの方が安全に企業リストを揃えられる理由
をご覧ください。
なお収集ツールも万能ではなく、対応サイトに情報が掲載されていない企業(Webサイトを持たない設立直後の法人など)は収集の対象になりません。この点は購入・自作いずれの方法でも起こり得る制約です。
新設法人リストを営業で使う際の注意点
情報の鮮度が特に重要で、取得から時間が経つほど「すでに他社が接触済み」「実態が変わっている」といった状態になりやすい点に注意が必要です。
新設法人は競合他社も同じ情報源に注目しているケースが多く、公開直後の法人ほど複数社から一斉に営業を受けている可能性があります。取得日を記録し、リストの鮮度に応じてアプローチの優先順位を調整すると、無駄打ちを減らせます。また、設立直後は代表者自身が電話対応することも多いため、初回接触時のトークやDMの内容は、業歴の長い企業向けとは分けて用意しておくと効果的です。
電話番号が無い法人へのアプローチ方法
電話番号を確認できなかった法人には、所在地宛ての郵送DMが代替手段になります。新設法人向けのDMは、オフィス什器・法人保険・税理士紹介など「設立直後に必要になりやすいサービス」を訴求すると開封されやすい傾向があります。
NG例
:電話番号が取得できた法人だけに絞って営業した結果、対象母数が当初の想定の3割程度まで減ってしまった。
OK例
:電話番号ありのリストにはテレアポ、電話番号なしのリストには郵送DMと、チャネルを分けて全対象法人にアプローチした。
郵送DMの原稿作成・反応率を高めるコツは
郵送DMのメリットとは
でも解説しています。
よくある質問
新設法人リストの無料入手方法、電話番号の取得可否、業種別の絞り込みについて、よくいただく質問にお答えします。
新設法人リストはどのくらいの頻度で更新すればいいですか?
月1回程度、国税庁のデータを再取得して差分を確認する運用が一般的です。国税庁の「全件データ」CSVは毎月末に更新される一方、日次更新の「差分データ」を毎日追うのは通常業務では負荷が大きいため、全件データの更新タイミングに合わせて月1回取得するのが現実的な頻度です。設立直後の法人ほど情報が変化しやすいため、取得から1〜2ヶ月以内にアプローチすることをおすすめします。
国税庁のデータだけで営業リストとして十分ですか?
商号・所在地・法人番号の基本3情報と法人番号指定年月日は取得できますが、電話番号・業種(事業内容)・従業員数・代表者名はいずれも含まれておらず、指定年月日も正確な設立年月日とは異なるため、そのままでは営業リストとして情報が不足しています。架電に必要な電話番号や、提案内容を絞り込むための業種情報は、企業HP・求人サイト・商業登記情報など他の情報源との突き合わせか、収集ツールでの補完が必要です。
個人事業主の新設リストも同じ方法で入手できますか?
国税庁の法人番号公表サイトは、法人格を持つ法人に指定される法人番号が対象のため、個人事業主は検索・ダウンロードの対象そのものに含まれません。個人事業主は法人番号ではなく個人番号(マイナンバー)の管理下にあり、税務署への開業届も法人番号公表サイトのように一般公開・一括ダウンロードできる情報源ではないため、同じ方法での入手はできません。個人事業主の新規開業情報を集めたい場合は、業種別の開業リストを扱う別の情報源を確認する必要があります。
新設法人リストを使う際、個人情報保護法上の注意点はありますか?
法人の商号・所在地・法人番号は個人情報には該当しませんが、リストに担当者の個人名やメールアドレスを含める場合は話が変わります。個人情報保護法第30条は、第三者から個人データの提供を受ける際に「取得の経緯」を確認し、確認した内容や提供を受けた年月日を記録するよう義務付けています。名簿業者からリストを購入する場合は、この確認・記録に対応しているか、契約書等で取得経緯を確認できるかを事前にチェックしてください。詳しくは 名簿業者とは?合法性・個人情報保護法との関係・優良な業者の見分け方 をご覧ください。
新設法人リストと通常の企業リスト、どちらを優先すべきですか?
一律にどちらが良いとは言えません。判断基準の一つは、その商材が「法人設立のタイミングでしか決まらないか」です。税理士・社会保険労務士・オフィス什器・法人保険のように設立直後に一度だけ選定し長期間切り替えない商材は、新設法人リストで先んじてアプローチする効果が大きくなります。一方、業歴やこれまでの取引実績を踏まえて提案したい商材や、既存の取引関係を切り替えてもらう営業では、通常の企業リストの方が適しています。自社の商材の特性に応じて使い分けるか、両方を組み合わせるのが現実的です。
電話番号が無い法人にはDMだけで対応するしかないですか?
郵送DMに加えて、企業HPのお問い合わせフォームからの連絡や、後日改めて電話番号の有無を確認するという方法もあります。設立から数ヶ月経つと企業HPが整備され、電話番号が確認できるようになる法人も少なくありません。 実務面では、法人番号公表サイトの所在地はバーチャルオフィスや自宅を登記上の本店所在地としているケースもあるため、宛名は「法人名+御中」で送付したうえで、宛先不明で返送された法人は次回以降の送付対象から外していくと、無駄な郵送コストを抑えられます。
まとめ
新設法人リストは、国税庁の法人番号公表サイトを使えば無料で入手できますが、電話番号や業種の絞り込みまでは自分で補完する手間がかかります。まとまった件数を条件付きで継続的に必要とする場合は、購入や収集ツールも比較検討するとよいでしょう。
設立年月日を含む複数条件で企業情報を絞り込みたい場合は、
Urizo(ウリゾウ)
の無料版で1,500件まで実際に収集できます。まずは使用感を確認してみてください。