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営業のクロージングを成功させるコツとは?成約率を高めるポイントを解説

営業のクロージングを成功させるコツとは?成約率を高めるポイントを解説

営業活動において成約率を高めるには、クロージングを行い見込み顧客に決断を促す必要があります。順調に進んでいたかに見えた商談が最終段階で成約に至らなかったり、「検討します」と言われたきりになったりしていませんか? こうしたケースが相次ぐようなら、原因はクロージングにあるかもしれません。

今回は、クロージングの基本的な流れと成功させるためのポイント、成約率を高めるクロージングのコツ10選を紹介します。クロージングを実践する際の注意点とあわせて見ていきましょう。

はじめに、そもそも営業においてクロージングがどのように位置づけられるのかを確認しておきましょう。とくにBtoB営業において、クロージングが必要とされる理由とともに解説します。

クロージングとは、商談の締めくくりとして成約を決断してもらうための最終局面のことをいいます。一般的な商談の流れは次の通りです。

・見込み顧客獲得(リードジェネレーション)
・見込み顧客育成(リードナーチャリング)
・商談設定(アポイント獲得)
・商談
・オファー
・クロージング

このように、クロージングに至るまでには段階を踏んでアプローチを重ねる必要があります。クロージングまでのアプローチが適切に実践できていたとしても、クロージングのタイミングや切り出し方が良くなければ成約には至りません。反対に、クロージングだけに注力しても、それまでのアプローチが不十分であれば成約確度は下がってしまいます。このように、クロージングは商談の流れの一環として捉えることが重要です。

クロージングは、それまでに積み上げてきた営業活動の総合評価が表れる局面といえます。見込み顧客のニーズを的確に引き出し、要望に応える提案ができていれば、クロージングの成功率も高まるでしょう。クロージングは営業活動の精度を測る指標ともいえるため、商談の中でも重要度の高いプロセスといえます。

クロージングを成功させるには、見込み顧客の購買意欲が高まったタイミングを逃さないことが大切です。見込み顧客の決断を後押しし、適切な選択へと導いていく意味においても、クロージングは重要な意味をもっているのです。

BtoB営業においては、成約を決定する権限をもつ人物は誰なのか、キーパーソンを見極める必要があります。商談の場に決裁者が同席しているケースもあれば、その場にいない決裁者に対して担当者による社内プレゼンが行われる場合もあるからです。

直接訴求する場合、決裁者を事前に把握しておく必要があります。予算計画や経費の使途について決定権を握っているのが誰であるのかを引き出し、商談に同席してもらえるよう依頼しなくてはなりません。

決裁者への社内プレゼンが必要になる場合、担当者が決裁者に提示するための資料を提供し、プレゼンに向けた準備に役立ててもらう必要があります。状況によってはプレゼン資料そのものを提供し、活用してもらうのも1つの方法です。このように、BtoB営業においては決裁者へのアプローチ戦略を立てた上でクロージングに臨むことが求められます。

クロージングをより細かく分けると、「テストクロージング」「クロージング」「契約締結」の3段階に細分化できます。各段階の目的と具体的な進め方を確認しておきましょう。

テストクロージングは、クロージング前に購買意欲の段階を探るためのプロセスです。見込み顧客への問いかけを通して相手の反応を確認し、クロージングへ進むべきか判断します。下記はテストクロージングで活用される問いかけの例です。

・ご提案した内容で何か気になる点はありましたか?
・導入されるあたり、何かご不明点はありますか?
・ご興味をもっていただけましたか?

テストクロージングを通じて見込み顧客の興味・関心や購買意欲が高まっていると判断した場合には、次の段階であるクロージングへと移ります。反対に関心が薄いと感じたり、購買意欲が低い様子が見られたりした場合には、購入・導入するメリットや相手にとってのベネフィットを再度伝えていく必要があるでしょう。

見込み顧客の興味・関心や購買意欲が高まっていると判断したら、いよいよクロージングのステップへと進みます。意思決定を促し、「決めてもらう」ことがクロージングを実施する目的です。一例として、次のような言葉を投げかけて決断を促しましょう。

・導入時期はいつ頃にいたしますか?
・ご契約については現状どのようにお考えですか?
・ご提示したプランで進めてよろしいでしょうか?

契約に際して不明点や懸念事項があるようなら、1つずつ丁寧に対応して不安を解消していきます。契約意思が明確になったら、契約締結の具体的な話へと移りましょう。

クロージングが完了しただけでは、契約を締結したことになりません。最後まで気を抜かず、契約書へのサインや押印、契約内容に関する不明点への回答など丁寧にサポートしましょう。とくに契約内容の確認は、契約締結後のトラブルを防ぐためにも重要なポイントといえます。重要な規約については読み合わせをするなど、合意を得ておくことが大切です。

クロージングを実践する際の注意点

クロージングを成功させるには、どのような点を意識すればよいのでしょうか。とくに重視しておきたい3つのポイントを紹介します。

BANT情報とは、BtoB営業において確認しておくべき点をまとめたフレームワークのことです。BANTは次に挙げる4要素の頭文字を表しています。

・Budget(予算):製品やサービスを導入するにあたって確保できる予算
・Authority(決済者):購入・契約を承認するキーパーソン
・Needs(ニーズ):見込み顧客の本質的な課題やニーズ
・Time frame(時期):製品やサービスを具体的にいつ購入・導入する予定か

上記のうちいずれかの情報が不足していると、クロージングをかけた際に新たな懸念事項が出てきたり、相手が決断できない原因となったりする可能性があります。クロージングに移る前にBANT情報を再度確認し、不足している情報があれば再度ヒアリングを実施することが大切です。

契約意思の有無によらず、仮の話として契約を締結した際にどのような流れになるのかを共有しておくことも重要なポイントです。多くの場合、見込み顧客は契約後にどのようなサポートを受けられるのか、自社は具体的に何をすればよいのかといった点が気になっています。契約後の流れを全体像として捉えてもらうことで、不明点や疑問点がより具体的に出てくるケースは少なくありません。見込み顧客の不安や疑問を解消しておくことにより、クロージングの成功確度を高められます。

また、契約後の流れをイメージしてもらえれば、契約がより現実味を帯びる効果も期待できます。当事者意識をもって話を聞いてもらえるようになり、購入・契約に向けた具体的な話を進めやすくなるでしょう。

クロージングをかけた際に「もう少し検討したい」他社製品とも比較したい」など、成約を阻害する要因が出てくることも十分に想定されます。クロージング時にすべての阻害要因を一度に解消するのは困難なケースもあり得ることから、できるだけ事前に阻害要因を解消しておくことが大切です。

阻害要因を解消するには、小さなテストクロージングを複数回にわたって試みる必要があります。問いかけに対して、見込み顧客はさまざまな「断り」の意思を示してくるはずです。小さな「No」を解消していくことにより、最終的に大きな「Yes」をもらえるようにしておくのがポイントです。

成約率を高めるクロージングのコツを紹介します。クロージングに苦手意識のある方はもちろんのこと、現状よりも成約率を高めたい方にも役立つノウハウです。ぜひ商談に取り入れてみてください。

クロージングのタイミングを見極めるのが難しいと感じている方は多いのではないでしょうか。クロージングのタイミングを見極めるコツは「相手の反応」を判断軸にすることです。

クロージングへと進むタイミングが見極めにくい要因として、相手から「No」を受け取ることへの恐怖心が挙げられます。Noを言わせないように話し続けた結果、最終的に「一度検討します」と言われてしまうケースは少なくありません。小さなテストクロージングを商談の随所に盛り込み、相手の反応を見ながらクロージングのタイミングを判断しましょう。反応がわからない場合には質問を投げかけ、相手の意思を確認することが大切です。

テストクロージングを行う目的は、購買意欲の段階を探ることにあります。「契約する・しない」を直接聞くのであれば、クロージングと変わりません。テストクロージングでは小さな「Yes」を複数得ておくことを意識することが大切です。

たとえば、「製品のメリットはご理解いただけましたか?」といった問いかけであれば、契約する・しないに関わらずYesを引き出しやすいでしょう。一見すると何気ないやり取りですが、「メリット面については合意が取れた」「では導入に向けて何がネックになるのか?」といった話の流れをつくる効果が期待できます。小さなYesを積み重ねる感覚をつかんでいきましょう。

クロージングは「相手を追い込むこと」ではありません。いかにも「決断を迫っている」といった雰囲気を醸し出してしまうと、「この場で返事をしないほうがよさそうだ」と相手が判断する原因となります。相手が検討する余地を常に残しておき、顧客側に主導権を譲る感覚で臨みましょう。

見込み顧客としても、自社側に決定権があるとわかれば警戒心をもたずに話しやすくなるはずです。たとえば、複数の商品やプランを提案して相手に選んでもらうことによって、自然な形で相手に主導権を譲れます。

クロージングの成功確度を高めるシンプルなコツとして、「購買意欲を直接尋ねる」ことが挙げられます。「実際のところ、導入される予定はおありですか?」とストレートに聞くことで、購買意欲の有無が明確になるからです。

人によっては、購買意欲を直接尋ねたらその時点で断られてしまうのではないか、と不安に感じるかもしれません。しかし、実際に契約する意思がまったくないのであれば、それ以上商談を続けてもお互いにとって時間の浪費となってしまいます。決断を先延ばしにしているのか、あるいはそもそも契約するつもりがないのかを把握し、商談を継続するべきか明確にすること重要です。

相手に決断を促す手段として、他社の導入事例を紹介するのは効果的な方法です。他社の影響力を活用することにより、営業担当者の個人的見解ではないことが伝わり、説得力が増します。同業他社の事例であればなおさら、見込み顧客は「自社で導入した場合も同じ効果が得られるかもしれない」と具体的にイメージしやすくなるでしょう。

支持している人が多いものに信頼を寄せる心理を「バンドワゴン効果」といいます。すでに導入事例があることが伝われば、見込み顧客からの信頼度が高まりクロージングに持ち込みやすい状況をつくれます。

成約したものと仮定して話を進めるのも、クロージングの成功確度を高める上で効果的な方法です。プランやオプションの選択など、本来であれば契約すると決めた後で判断すべきことを先に決めてもらうのです。

見込み顧客の心理としては、話が具体的になればなるほど断りづらくなっていきます。希望のプランやオプションを伝え、見積もりが出ている状況で契約しないのは、かえって不自然に感じられるでしょう。成約したと仮定して話を進める手法は、「契約できない事情」を引き出す手法でもあることから、広い意味でのテストクロージングと捉えることもできます。

クロージングの段階で一度に大きな提案をするのではなく、段階を踏んで提案していくことも押さえておきたいコツといえます。多くの人は、相手の要求や提案を断り続けてしまうのは申し訳ないと感じるものです。あえて断ってもらう段階を踏むことで、本命の提案を断りにくい状況を築けます。

はじめにあえて断られるような要求をしておき、続く提案を断りにくくすることを「ドア・イン・ザ・フェイステクニック」といいます。はじめはやや高額なプランを提案し、相手が難色を示したらより安価なプランを提案するといったように、段階を踏んで提案していくことが大切です。

見込み顧客の決断を妨げる3大要因は「価格」「比較検討」「信頼性」です。より安い商品があるかもしれない、もう少し他社商品と比べたほうがよいかもしれない、もっと信頼できる企業や担当者が見つかるかもしれないといった心理は、成約を阻害する要因になり得ます。

裏を返せば、3大阻害要因をあらかじめ解消しておくことにより、クロージングへと移行しやすくなるでしょう。たとえば、他社商品の価格や機能といった情報もあわせて提供することで相手が自分で調べる必然性がなくなる上に、その分野の商品に精通した担当者として信頼を得られます。「他社の話を聞くまでもない」と思ってもらえれば、クロージングの成功確度を格段に高められるでしょう。

クロージングに苦手意識がある営業担当者は、商談中の「沈黙」を恐れているケースが少なくありません。黙っていてはいけないように感じ、自分から話し始めていないでしょうか。

見込み顧客にとって沈黙している時間は、考えを整理したり事前に確認しておきたいことを頭の中でまとめたりするための時間でもあるのです。ここで営業担当者が別の話を始めてしまうと、高まりかけていた購買意欲に水を差すことにもなりかねません。相手のペースを尊重し、沈黙している間は次の言葉を待つようにしましょう。

クロージングへと進むにあたってBANT情報を引き出しておくことは重要なポイントですが、予算感を聞く際に「金額ありき」で話を進める流れにならないよう注意してください。価格ありきの商談は、相手にとって断る理由を持ち出しやすいからです。他社の商品がより安く購入・契約できると判明した時点で、見込み顧客の興味関心は他社へと移ってしまうでしょう。

金額ありきで商談を進めるのではなく、あくまでも商品ありきで進めてください。自社商品のメリットや付加価値を十分に理解してもらった上で、はじめて価格の話へと移ることにより、「他社よりも高い」ことが断る第一の理由として挙がらないようにすることが大切です。

クロージングを実践する際の注意点

クロージングを実践するにあたって、いくつか注意しておきたい点があります。とくに次の3点については、クロージングの際に必ず意識しておきましょう。

クロージングに失敗する大きな要因の1つに「焦り」があります。月内の成約数など、担当者側の都合でクロージングを進めることのないよう注意しましょう。

クロージングに移るタイミングはこちらで決めるのではなく、見込み顧客の反応を判断基準とすべきです。テストクロージングを試み、相手の反応しだいで阻害要因を解消したり、メリットをより深く理解してもらうために説明を加えたりするなど、相手の反応を起点に対応を決める必要があります。

世の中には営業のクロージングに活用できる話法などのテクニックが数多くあります。こうしたテクニックが効果を発揮する場合もありますが、クロージングを100%成功させられるテクニックは存在しません。テクニック偏重に走らないよう注意してください。

たとえば前述の「ドア・イン・ザ・フェイステクニック」は、購買意欲がある程度高まっている状態で駆使するのが適切です。見込み顧客の興味関心の度合いが不明の段階でこのテクニックを駆使しても、本命の提案も含めて「そもそも興味がない」という反応が返ってくる可能性があります。相手の反応を見ながら適宜テクニックを使い分けることが重要です。

クロージングを実践する際の前提として、最終的な決断は顧客自身が下すという点が挙げられます。売り込み感や押し付け感を醸し出してしまうと、相手は高い確率でその商談を早く切り上げようとするでしょう。決裁権がない相手であれば、なおのこと無責任な回答はできないと感じるはずです。

相手が検討する余地を残しつつクロージングを進めるには、「ご決断はお任せしますが……」など前置きをした上で話し始めるとよいでしょう。決定権は自社の側にあると明確に伝わることで、相手は安心して検討を進められるはずです。

1回のクロージングで成約に持ち込もうとしないよう注意してください。とくにBtoB営業の場合、契約あたりの金額が高額にのぼるケースが少なくありません。簡単に返事ができるものではないため、相手としては「一度断る」という判断をせざるを得なくなってしまいます。

クロージングに至るまでのプロセスでテストクロージングを複数回試み、必要に応じてニーズの洗い出しや懸念点の解消を行うことで、クロージングの成功確度を徐々に高めていくことが大切です。クロージングが「一発勝負」にならないよう、基本的なクロージングの流れに沿って商談を進めましょう。

クロージングは商談の締めくくりとなる重要な位置を占めています。一方で、クロージング単体で捉えるのではなく、商談の大きな流れを把握しておくことが重要です。クロージングを成功させるために必要な情報を収集したり、あらかじめ阻害要因を解消したりすることで、クロージングの成功確度を段階的に高めていきましょう。今回紹介したポイントや注意点を参考に、ぜひクロージングの精度を向上させてください。

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