徹底解説|営業マニュアルとは?メリットや作り方を紹介
販促に向けたキャンペーン企画を立案するにあたって、どのようなアイデアを出せばよいのか迷っていませんか? キャンペーン企画にはさまざまな種類がありますが、基本的な立案の手順を押さえた上で企画を立てていくことが大切です。
今回は、キャンペーン企画立案の基本的な手順と、具体的な企業のキャンペーン企画の事例を紹介します。ぜひキャンペーン企画を立案する際のヒントにしてください。
キャンペーンの主な種類
キャンペーンと一口に言っても、さまざまな種類があることをご存知でしょうか。まずは主なキャンペーン企画の種類を押さえておきましょう。
期間や対象を限定したキャンペーン
「毎月29日は肉の日」「LINE友達登録で5%オフ」のように、期間や対象を限定して制度化し、継続的に特典を提供するタイプのキャンペーン企画です。長期にわたって実施することにより、新規顧客とリピーターの獲得を同時に狙うことができます。
SNSのフォローや友達登録を条件に設定することで、新たな見込み客の獲得にも寄与するでしょう。定番のキャンペーンとして消費者に浸透すれば、長期的な効果が見込める施策といえます。
商品の割引を適用するキャンペーン
SNSの新規フォローやポイントカード作成など、一定の条件を満たした顧客を対象に割引を適用するタイプのキャンペーンです。通常価格よりも割引になることは消費者にとってわかりやすいメリットのため、即効性が見込めるキャンペーン企画といえます。
割引に惹かれて購入した顧客はリピーターになりにくい傾向があることから、次回の来店・購入につながる施策と組み合わせて実施するのがポイントです。初回購入のきっかけを提供するには適した施策といえるでしょう。
サンプルを提供するキャンペーン
サンプル品を配布し、実際に使ってもらうことが目的のキャンペーンです。化粧品や洗剤のように、実際に使ってみなければ効果がわかりにくい商品に適しています。
無料でサンプルを配布するだけでは効果が見込めないケースも多いことから、アンケート回答などを配布の条件として設けておくのも1つの方法です。
抽選や懸賞を実施するキャンペーン
商品パッケージのバーコードを集めるなどの条件を満たした応募者の中から、無作為に景品などの当選者を決めるタイプのキャンペーンです。消費者に商品を購入する間接的な動機を与えられる一方で、景品の単価や総額が景品表示法に抵触しないよう注意する必要があります。
また、近年では動画投稿などユーザー参加型のキャンペーンを実施する企業も増えています。SNSユーザーが自発的に参加したくなるような企画を打つことによって、ブランドの認知向上につながるでしょう。
キャンペーン企画立案の手順
キャンペーン企画を立案する際には、基本的な手順に沿って考えていくことが大切です。次に紹介する7ステップを参考に、消費者にとって魅力的なキャンペーン企画を打ち出しましょう。
1. キャンペーン実施目的を決定する
はじめに考えておくべきことは、キャンペーン企画を立案・実施する根本的な目的です。売上増強につなげたいのか、ブランドの認知向上を目指したいのかによって、打つべきキャンペーン企画は異なります。施策ありきで考えるのではなく、ゴールを先に決めておくことが大切です。
ゴールを設定する際には、できるだけ具体的な成果とターゲットを絞り込んでおくのがポイントです。対象を広げすぎた結果、誰にも刺さらない漠然とした企画とならないよう、具体的な実施目的を決定しておきましょう。
2. 目的に応じて応募方法を選定する
キャンペーンの実施目的に応じて、適切な応募方法やツールを選定していきます。どの応募方法にも一長一短があるため、あくまでも目的から逆算して考えることが大切です。
たとえば、商品の購買証明が必要なキャンペーンの場合、バーコードをハガキに貼付する形にすることでパッケージを変更することなくキャンペーンを打ち出せます。ブランド認知向上が目的であれば、誰でも参加できるSNSでの投票企画などが適しているでしょう。
3. キャンペーン期間と応募条件を決める
次に、アピールしたい対象者の中からできるだけ多くの応募者を集められる期間・応募条件を設定します。キャンペーン企画をはじめて見た消費者がその場で応募するケースばかりとは限らないため、応募可能期間にはある程度余裕を持たせておくことが重要です。
応募条件に関しても、キャンペーンの実施目的に沿った条件を設定する必要があります。新規顧客の獲得が狙いであれば、商品を1個購入すれば応募できる企画の方が効果的でしょう。反対に、既存顧客の売上増強やリピーター獲得が狙いであれば、複数個購入を応募の条件として定める方が適しています。
4. キャンペーン目標を定める
キャンペーンは漠然と実施するのではなく、具体的な目標を定めて実行に移していくことが重要です。KPIを設定しておくことによって、キャンペーン終了後に効果を適切に測定しやすくなります。
そもそもキャンペーン目標を定量的に測定できるように企画を設計しておくことも、大切な視点の1つといえるでしょう。効果の計測や検証方法も含めて事前に検討しておくことで、企画の成否や次回につながる課題を見出しやすくなるはずです。
5. キャンペーンのタイトル・景品等を決定する
キャンペーンのタイトルや景品類は、企画の成否を大きく左右する要因の1つです。消費者にとってのベネフィットを考慮し、魅力的に映るタイトル・景品を見極めましょう。
ただし、タイトルや景品等が目新しさやインパクト重視に偏りすぎないよう注意してください。キャンペーン企画を通じて打ち出したいメッセージや訴求したい商品の特性を踏まえ、関連性の高いタイトル・景品等を設定することが大切です。訴求したい商品と一緒に使える景品を提供するなど、キャンペーン後のリピート購入や顧客育成につながる施策を講じましょう。
6. キャンペーン告知方法を決める
ターゲットとのタッチポイントを豊富に得られる告知方法を絞り込んでいきます。告知方法がターゲットに適していないと、そもそもキャンペーンの存在を認知してもらえない状況に陥りかねません。SNS・店頭・パッケージ刷り込みなど、ターゲットに対して効果的に訴求するための具体的な告知方法を検討しましょう。
7. 企画全体のチェック
企画が固まったら、改めて企画全体を見直しながら不備がないかチェックしていきましょう。キャンペーンを実施する目的とのずれが生じていないか、適切なKPIを設定できているか、景品表示法に抵触していないか、告知方法は具体的に詰められているかなど、1つひとつ確認しておくことをおすすめします。抜け漏れや不整合がないことを確認したら、キャンペーン内容を企画書にまとめて企画立案は完了です。
キャンペーン企画の事例
キャンペーン企画の事例として、さまざまな企業が実際に講じてきたキャンペーンを紹介します。アイデアの面白さに着目するだけでなく、キャンペーンを打ち出した狙いなどもぜひ参考にしてください。
フォロワー限定「タイムセールなう」|良品計画
無印良品を運営する良品計画では、自社公式Twitterアカウントのフォロワー限定のタイムセールを開催しています。期間や対象を限定したキャンペーンの好例といえるでしょう。
フォロワー限定のセール情報を届けることで、フォローの解除防止に効果を発揮していると考えられます。また、公式アカウントをフォローする直接的なメリットを訴求したことが功を奏し、1日で1,000人以上のフォロワーを獲得したことでも有名です。消費者との継続的な接点を作るためのキャンペーン企画として、他業種でも活用できるでしょう。
プレゼント企画「記念にプレゼントするキャンペーン」|紀文
練り物メーカーの紀文は、「バズったから記念にプレゼントするキャンペーン」と題して、不定期に商品プレゼントキャンペーンを開催しています。大喜利ツイートが話題になったことをきっかけに、フォロワーとのコミュニケーションを深めることに成功した事例です。
具体的にいつからいつまで実施する、と事前に計画を立てるのも1つの手ですが、紀文のように話題性が高まっているタイミングを逃すことなくキャンペーンを打ち出すのも有効な方法といえます。タイムラインが流れるスピードが速いTwitterの特性を押さえたタイムリーなキャンペーン企画といえるでしょう。
体験プログラム提供「大冒険ご招待キャンペーン」|伊藤園
ペットボトル緑茶「お〜い お茶」で知られる伊藤園では、専用茶畑でのお茶摘み体験やスペシャルランチの提供、茶畑で摘んだお茶を味わうといった体験型プログラムを打ち出しました。商品と関わりの深い体験プログラムを提供することにより、メーカーのこだわりをより多くの消費者に知ってもらう機会を創出しています。
キャンペーンは、短期的な売上や利益につながる企画が正解とは限りません。伊藤園のように自社のファンを着実に増やし、ブランディングを強化するキャンペーンを打ち出すのも1つの考え方といえるでしょう。
SNS投稿「プッチンプリン国民投票」|江崎グリコ
江崎グリコは「プッチンプリン国民投票」と題して、Twitterでの投票企画を打ち出しました。投票形式のため誰でも気軽に参加しやすいことに加え、「プッチンプリン純金ツマミ」といったユーモアのある景品がさらに話題を呼んだ事例として知られています。
キャンペーン企画を立案する上で、消費者にとって「参加の手軽さ」が感じられることも重要な要素の1つです。定番商品であっても、切り口を変えることで話題性のあるキャンペーンを打ち出せることを証明した事例といえるでしょう。
動画投稿「うたエルコーン」|東ハト
「キャラメルコーン」で知られる東ハトは、商品の発売50周年を記念して3カ月にわたる長期の投稿企画を打ち出しました。歌とダンスをユーザーが自由に投稿できるという趣旨のキャンペーンですが、注目すべきは締め切りの設定です。毎週締め切りを設けることにより、同一ユーザーが複数回投稿することを可能にしました。
長期にわたるキャンペーン企画の場合、「中だるみ」や「飽きられる」といったリスクと隣り合わせです。あえて複数回応募が可能な仕組みにすることで、注目され続けるキャンペーンを実現した好例といえるでしょう。
まとめ
キャンペーンは一見するとインパクトを狙っているかのように思える企画であっても、実際には明確な目的や目標の達成に向けて立案されているものが少なくありません。今回紹介したキャンペーン企画立案の手順やさまざまな企業の事例を参考に、ぜひ自社でのキャンペーン企画を打ち出してみてください。キャンペーンがきっかけとなり、新たな顧客の獲得やブランディング強化といった効果を得られるはずです。