徹底解説|営業マニュアルとは?メリットや作り方を紹介
営業に関するマニュアル作成を任された人は、こんな悩みをお持ちではないでしょうか。
営業マニュアルのメリットを知りたい
作成手順がわからない
作成する際のポイントを知りたい
営業マニュアルは自社の業績向上などに不可欠なものなので、効果的なものを作りたいですよね。今回は営業マニュアルの概要、フォーマット、メリット、作成手順やポイントなどを解説します。
初めて営業マニュアルの作成に携わる方でもわかりやすいように解説しますので、ぜひ最後までご覧ください。
営業マニュアルとは?
営業マニュアルとは、営業活動を効果的に進めるために手順や基礎知識などをまとめた資料です。主に新入社員向けに、早期に即戦力となれるよう営業スキルの平準化や社内ノウハウの集約を目的に作成されます。
営業マニュアルに含まれる情報は、一般的な営業活動の手順であるアポ獲得からクロージング、契約の流れなどです。それ以外にも、商材の情報、ターゲット、競合状況、ケーススタディなど幅広い知識が詰め込まれています。
また営業マニュアルは、OJTを中心にとした社員研修をする企業にとって、作成効果を得やすい点も特徴です。
営業マニュアルのフォーマット
営業マニュアルはさまざまなフォーマットで作成できます。主なフォーマットとして3種類ご紹介します。
Word形式
Word形式の営業マニュアルは、最もシンプルで簡単に作成できます。文章を中心とした営業マニュアルを作成したい場合に効果的です。
また、Word形式は、文章の書き換えだけで内容を更新できるため、更新頻度が高い場合におすすめのフォーマットです。高度な編集が不要なため、スキルに自信がない方もマニュアル作成に携われます。一方で文章だけではわかりにくい場合は、図表や写真の挿入が必要です。
PowerPoint形式
PowerPoint形式のマニュアルは、図表や写真などを多く入れたりレイアウトにこだわったりしたい場合におすすめです。図表や写真の挿入、レイアウトの工夫などによって視覚的で伝わりやすい営業マニュアルが完成します。
しかし、視覚的に伝わりやすいマニュアルを作るには資料作成のスキルが必要です。見やすさやビジュアルに関してのセンスも必要になるでしょう。そのため、一部の社員しか営業マニュアルの作成に携われない可能性があります。
動画形式
動画形式の営業マニュアルは、Word形式やPowerPoint形式よりも理解しやすい点が特徴です。文章や写真、図表だけでは伝わりにくい内容も動画ならば、受け手がイメージしやすくなります。
たとえば、名刺交換や模擬商談など営業活動で必要な場面も、動画形式なら簡単に説明できます。名刺交換など、将来的に修正点が少ない内容であれば動画形式がおすすめです。
しかし動画形式の営業マニュアルは、撮影や編集などリソースが必要です。外注する際には費用も発生するため、予算などを踏まえて検討してください。
営業マニュアルを作成するメリット
ここからは、営業マニュアルを作成するメリットを解説します。営業マニュアルを作成するメリットは、主に3点です。
1.業務の効率化
まずは業務の効率化を図れることです。営業マニュアルがあることで営業時間や教育時間の効率化を可能にします。営業マニュアルには基本的な作業の手順や基礎知識が載っているため、わからないことをすぐに振り返ることが可能です。
そのため、新入社員の教育に先輩社員がつきっきりにならなくてもすみます。営業マニュアルをもとに営業活動をこなせるようになれば、教える側も教わる側も負担の軽減が可能です。結果的に営業活動に専念でき、業績向上も狙えるでしょう。
2.営業品質の安定
次のメリットは、営業品質の安定です。営業マニュアルの内容を社員がこなせるようになれば、社員間の営業スキルのばらつきを少なくできます。
営業スキルを一定化できることで、自社の営業品質が安定するわけです。営業品質が安定すると、一部の社員に頼った状況にもなりにくく、社員の退職や長期休暇があっても他の社員でカバーできます。
自社が培ってきた営業ノウハウを新入社員に効率的に伝えることもでき、早期に営業品質を安定化させられます。
3.属人化の予防
さらに営業マニュアルがあることで、属人化の予防につながります。これまでの営業は、社員間の情報共有がされにくく、属人化しやすいものでした。優秀な社員が退職すると社内にノウハウが蓄積されておらず、引き継ぎもうまく行えないデメリットが生じていたのです。
しかし営業マニュアルは言語化されており、誰もが理解しやすくなっています。「Aさんがいないとわからない」という事態を避けることが可能となり、万が一の状況になっても困らずにすみます。
営業マニュアルに必要な項目
営業マニュアルには最低限、以下の項目を盛り込んでください。
商材に関すること
顧客に関すること
営業活動に関すること
商材に関しては単に機能性やサービスだけではなく、解決できること、求められていること、競合との違いなどを記載します。商材の理解は最も難しい内容であるものの、深く広く身につければ商談でも役立ちます。
顧客に関しては、商材と相性がいいターゲットについて記載します。属性やカスタマージャーニーなどを決めて、ケーススタディも盛り込みましょう。ケーススタディがあることで、より実践力を養える営業マニュアルになります。
営業活動に関しては、営業の大まかな流れや準備方法、進め方などを記載します。各段階において、成果につなげるポイントを記載すると、実践に活かしやすいです。こちらにもケーススタディを入れておきましょう。
営業マニュアルの作り方
営業マニュアルに必要な内容を網羅し、成果につながるマニュアルにするために、4つのポイントを押さえておきましょう。
1.目的を明確にする
まずは営業マニュアルを作成する目的を明確にしてください。「なぜ営業マニュアルを作るのか」「営業マニュアルを導入して何を目指すか」など、作成目的を明確にしましょう。
目的を明確にすると、マニュアルでカバーすべき範囲も決まります。目的があいまいな状態では、自社に必要な内容に仕上がらない可能性があります。目的を明確にするために現状の課題を洗い出しましょう。
2.適用範囲を決める
次に営業マニュアルの適用範囲を決めましょう。営業マニュアルの内容を精査するためにも、営業活動のどこからどこまでマニュアルを適用させるか決めます。
適用範囲を決めることで、余計な情報を省き、簡潔でわかりやすい営業マニュアルになります。また適用範囲に該当する社員の理解度や習熟度に応じて、書き方を考慮します。
なぜなら新入社員向けのマニュアルを、中堅ベテラン社員向けの書き方では理解しにくいからです。マニュアルの適用範囲に応じて、表現や記載内容を検討してください。
3.内容を整理する
営業マニュアルの適用範囲を決めたら、具体的な記載項目を列挙しましょう。また、列挙した項目は社員に見てもらうと、必要性や理解のしやすさなど客観的な評価を得られます。
読み手の声を参考にしつつ、業務内容や製品情報、営業活動のフローなどカテゴリー別に内容を精査し細分化してください。また、掲載する順序なども決めると、読み手がスムーズに理解できます。
4.作成する
内容を整理したら、実際に営業マニュアルを作成します。整理した記載内容をもとに、文章や写真、図表を効果的に用いて作成してください。理解のしやすさにつなげるために、レイアウトにこだわってもいいでしょう。
マニュアル作成で重要なのは、誰もが理解しやすい簡潔な文章であることです。アンダーラインや太文字、カラー文字などを効果的に取り入れて作成しましょう。図表や写真の挿入箇所も工夫すると、よりわかりやすい営業マニュアルになります。
営業マニュアルの作成ポイント
わかりやすく実践で活かせる営業マニュアルにするために、2つのポイントを解説します。
トラブルやクレーム対応の例も入れる
1つ目はトラブルやクレームの対応例を入れることです。業種や業界で一般的に起こりやすいトラブルやクレームはもちろんのこと、自社で過去にあった事例を入れると、実践力の向上につながります。
事例に対して、起こった原因や改善策を取り入れたケーススタディにするのもおすすめです。より豊富な事例を取り上げると、営業活動でも活かされる対応力を養成できます。
定期的に更新する
2つ目は定期的に更新することです。営業マニュアルは1度作成したら終了ではなく、自社の業績や業務内容などに応じて更新する必要があります。現状にそぐわないマニュアルは、業績低下などを招くからです。
営業マニュアルの運用がスタートしたら、定期的に効果測定を実施して、成果を分析してください。分析の結果、マニュアルが不十分であれば、改善案を検討し更新してください。
営業マニュアルを作った後の運用方法
営業マニュアルを効果的に運用するために、マニュアル担当者を決めて管理してください。担当者が効果測定や分析、改善、更新することで、適正なマニュアル運用が可能です。
データだけの分析ではなく、社員にアンケートを実施して改善点の把握も効果的です。常に自社の現状と合致した営業マニュアルを目指して改善しましょう。
まとめ
営業マニュアルは、営業活動で成果を出すために必要な資料です。営業マニュアルを作成すると、社員間のスキル格差を是正し業績の安定化を図れます。
そのためには必要な内容を盛り込み、ポイントを押さえて作成する必要があります。本記事で解説した内容をもとに、自社に最適な営業マニュアルを作成しましょう。