郵送DMの開封率を上げるには?効果を高めるコツと注意点を紹介
ダイレクトメールを郵便物として届ける「郵送DM」は、さまざまな業界で広く活用されている営業手法の1つです。すでに郵送DMを活用されている、もしくは今後活用を検討している事業者の方も多いのではないでしょうか。
今回は、郵送DMの課題となりやすい「開封率」について解説します。開封率の実態や開封率が上がらない原因、郵送DMの効果を高めるコツを紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
郵送DMの開封率の実態
そもそも郵送DMの開封率は平均的にどの程度なのか、気になっている方も多いのではないでしょうか。郵送DMの開封率の実態と、顧客がDMに期待している情報について解説します。
開封率は67.6%
「DMメディア実態調査2021」*によれば、郵送で届いたDMを「読んだ」と回答した人の割合は全体の67.6%でした。半数以上の郵送DMが開封されており、開封率は決して低くないことがわかります。
見方を変えると、32.4%の郵送DMは未開封のまま破棄されてしまったことになります。3割強の郵送DMは開封すらされていないという実態は、郵送DMを活用する際に押さえておくべきポイントといえるでしょう。
宛先別に見た場合の開封率
郵送DMの宛名別に見た場合、宛名の有無や誰の宛名が記載されているかによって開封率が異なります。具体的な結果は次の通りです。
・自分宛の場合:79.5%
・自分以外宛の場合:52.9%
・宛名なし:37.3%
同じ郵送DMでも、受け取る本人の宛名が書かれている場合は8割近く開封されていることがわかります。反対に、宛名が自分以外であれば開封率は5割強、宛名のないDMにいたっては4割弱しか開封されていないのです。宛名を明記することで開封率を高められることがわかります。
顧客がDMに期待する情報
郵送DMに顧客が期待する情報が記載されている場合、開封率が高くなると考えられます。では、顧客は郵送DMにどのような情報を期待しているのでしょうか。
最も開封率が高いのは「クーポンの案内・プレゼント」に関する情報が記載されているDMで、開封すると回答した人は52.7%にのぼりました(購入・利用経験のない企業から届いたDMの場合)。このほか、「特売・セール・キャンペーンの案内」や「試供品の案内」などの場合も、顧客がDMを開封する傾向があることがわかっています。顧客は郵送DMに対して具体的なメリットを求めているといえるでしょう。
*参考: 一般社団法人日本ダイレクトメール協会「DMメディア実態調査2021」
郵送DMの開封率が上がらない原因
では、郵送DMの開封率がなかなか上がらない場合、どのような原因が考えられるのでしょうか。前章の調査結果を踏まえて、郵送DMの開封率が伸び悩む原因を見ていきます。
原因1:受取手との関係性が構築できていない
自分宛のDMほど開封する人が多いという結果から、受取手との関係性がDMの開封率と深く関わっていることがわかります。受取手にとって自分と関わりの深い情報ほど、確認しておく必要性を感じやすいからです。
反対に、自分とは関係がないと受取手が感じるとDMが開封されない可能性は高まります。受取手と関わりのある情報であることを伝え、開封する必要性を感じてもらうことが大切です。
原因2:受取手にとって「お得感」がない
顧客はDMに具体的なメリットを求めているため、「お得感」のないDMは開封されない傾向があります。DMの中身を見たとしても、自分にとってメリットがないと感じたり、すでに知っている情報しか書かれていないことが明らかだったりすれば、開封される確率は下がってしまうでしょう。
顧客にとってメリットがあることに加え、DM限定の情報が記載されていることも重要なポイントです。他では得られない情報が書かれているとわかれば、念のため確認しておきたいという心理が働きやすくなります。
原因3:ターゲットを適切に絞り込めていない
DMが本人宛で、かつ受取手にとってのメリットをアピールしているにもかかわらず開封率が低いようなら、ターゲットを適切に絞り込めていない可能性があります。受取手が求めていない情報をアピールしても、必要性を感じてもらうのは難しいでしょう。
郵送DMは送り先を絞って送付できる点が大きな特徴です。年齢や居住地、性別、趣味嗜好、購買行動など、さまざまな情報を元にターゲットを絞り込むことが郵送DMの効果を高めます。開封率が低いと感じる場合は、ターゲット選定を見直すことも検討してみましょう。
郵送DMの開封率を高めるコツ10選
郵送DMの開封率をできるだけ高めるためのコツを紹介します。次に挙げるコツを実践して、郵送DMの効果をさらに向上させましょう。
コツ1:封筒にインパクトをもたせる
郵送DMが開封されない場合、そもそもDMが届いていることを認知されていないケースも少なくありません。とくに送付先が企業であれば、日々多くの郵送物が届いていることが想定されます。他の郵便物に埋もれさせないための工夫が必要です。
封筒の目立つ位置に強いキャッチコピーを記載したり、封筒の色や形状に特徴をもたせたりするなど、DMの存在を際立たせる工夫をしましょう。重要なメッセージは封筒の表裏どちらにも記載しておくことで、受取手の目に留まる確率が高まります。
コツ2:質問形式で開封を促す
開封を促すための工夫を凝らすことも大切なポイントです。封筒の目立つ位置に質問形式の文言を記載することで、中身を確認する動機を提供できます。
たとえば「〜をご存知ですか?」「〜の対応はお済みですか?」といった質問を記載し、中身にその回答が書かれていることを伝えましょう。質問に対する答えを知っている場合も知らない場合も、受取手は「念のため確認しておきたい」と感じるものです。
コツ3:オファーの要旨を明記する
キャンペーンやプレゼントなどのオファーを提供する場合、封筒にオファーの要旨を明記するとよいでしょう。何を伝えようとしている郵送物なのかが一目でわかれば、より詳しい内容を確認しておきたいという心理が働きやすくなるからです。
商品や景品の画像を封筒に掲載する方法もおすすめです。画像は文字よりも情報を効率よく届けられるため、オファー内容を瞬時に伝えられます。郵送DMを開封するか、未開封のまま廃棄するかの判断は一瞬で下されることから、オファー内容が一目でわかる工夫を凝らすことが大切です。
コツ4:緊急性を伝える
数多く届いた郵送物のうち、どの郵送物を優先的に開封していくかを判断する際、緊急度は1つの基準となり得ます。期限が迫っているもの、期日が設けられているものは優先度が高いと判断されやすいでしょう。
郵送DMの封筒にオファーや特典の期限を大きく表示することで、今すぐ開封する必然性を強調できます。「〇月〇日締切」など、具体的な日付が記載されていると効果的です。
コツ5:重要性をアピールする
緊急度とあわせて意識しておきたいのが「重要度」です。数多く届いた郵送物のうち、重要度の高いものから開封して確認していくのが自然な流れといえるでしょう。安易に廃棄してよい案内ではなく、重要な事柄が書かれているとアピールすることが大切です。
封筒に「重要」「必ずご確認ください」といった表記を施すことで、内容物を確認するよう促せます。内容の重要性をアピールすることにより、郵送物の仕分け担当者が廃棄してよい郵送物と判断するのを防ぐ効果も期待できます。
コツ6:付属品を同梱する
ポケットティッシュやボールペンなどの付属品を同梱するのも、開封率を高める上で効果的な方法です。封筒内に書類以外の何かが入っていると、未開封のまま捨てにくいと感じる人は少なくありません。
また、封筒に厚みがあり、立体物が入っていることが手触りでわかるだけでも、何が入っているのか単純に気になってしまう人は多いでしょう。郵送DMを開封してもらうという目的を達成する方法として、付属品の同梱は有効な手段の1つです。
コツ7:クイズを活用する
封筒にクイズの問題を掲載し、「答えは中身をご確認ください」と示すことで開封を促す方法もあります。出題内容が法改正などのタイムリーな話題であれば、当事者意識をもって考えてもらえるでしょう。
クイズの設問は、必ずしも難問でなくても構いません。すでに正解がわかっている人が、自身の考えが正しいことを確かめるために答えを確認するケースも多いからです。開封する必然性を伝える上で、クイズの活用は効果的な手法といえます。
コツ8:プレゼントなどの特典を付ける
郵送DMを受け取った人限定のプレゼントがあると封筒に記載し、開封する動機を提供する方法もあります。プレゼントの詳細を知るには開封して中身を見る必要があるため、一応確認しておきたいと感じる人は少なくありません。
プレゼントが顧客にとって具体的なメリットを得られるものであれば、開封される確率はいっそう高まります。「300社で好評の〇〇を無料プレゼント」のように、過去に他社で役立った事実を数値で示すことで、メリットを実感しやすくなるでしょう。
コツ9:開封しやすく加工する
郵送DMの開封率は、封筒の開けやすさによって変動する場合があります。ハサミを使わなければ開けられないとわかると、開封を後回しにされてしまうパターンも多いのです。
封筒を手で開けられるようにミシン加工を施したり、圧着ハガキを採用したりするなど、開封しやすくするための加工を施すとよいでしょう。容易に開封できることが一目でわかれば、抵抗なく開封してもらえる可能性が高まります。
コツ10:ターゲットを絞る
郵送DMは的確にパーソナライズされているほど開封率が高まることが知られています。受取手のニーズに即したDMを送付するには、ターゲット選定のプロセスが欠かせません。受取手の業種やオフィス所在地はもちろんのこと、企業規模や主な商戦の時期なども把握しておくのが理想です。
ターゲット選定で重要なポイントとなるのが送付先リストの精度です。手作業で企業情報を収集する方法もありますが、より精度の高いリストを効率よく作成するならツールの活用をおすすめします。ターゲット選定を的確に行うことで、郵送DMの開封率向上を目指しましょう。
まとめ
郵送DMは平均的に半数以上が開封されており、メールDMなどと比べて開封率の高い手法といえます。開封率を改善する工夫を加えることで、さらに開封率を高められるはずです。今回紹介したポイントを参考に、郵送DMの効果を最大限に引き出しましょう。
開封率を大きく左右する要素の1つがターゲティングです。精度の高い送付先リストを効率よく作成したい事業者様には、リスト作成ツール「 Urizo(ウリゾウ) 」の活用をおすすめします。Urizoは30以上のWebサイトから企業情報を自動で収集できるツールです。鮮度の高い企業情報を1件あたり1円以下の低コストで収集できます。1,600件分のリストは無料版で収集できますので、郵送DMのターゲット選定にぜひUrizoをご活用ください。