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郵送DMの開封率・反応率はどのくらい?効果を高める方法とあわせて解説

郵送DMの開封率・反応率はどのくらい?効果を高める方法とあわせて解説

郵送DMを定期的に発送しているものの、あまり効果が得られないと感じていませんか?一般的な郵送DMの開封率や反応率と比べて、自社の成果が平均以上に達しているのか気になっている方も多いでしょう。

今回は、郵送DMの開封率・反応率の実態や計算方法、郵送DMの効果を把握するための指標について解説します。郵送DMの効果を高めるコツもあわせて紹介しますので、ぜひ施策の改善に役立ててください。

はじめに、郵送DMの開封率・反応率の実態を紹介します。平均的な開封率・反応率を把握しておくことで、自社の施策が平均以上の成果を挙げているのか確認しやすくなるでしょう。

郵送DMの開封率(閲読率)は、全体で67.6%です。7割弱の郵送DMは開封して読まれており、決して低くない割合といえます。

さらに、本人宛の郵送DMに関しては79.5%が開封・閲読されているのに対して、宛名なしの場合は37.3%にまで落ち込むというデータもあります。自分宛に送られてきたDMは8割近くの人が開封している一方で、誰に向けて送られてきたのかわからないDMは6割以上が開封されることなく廃棄されているのです。

参考:一般社団法人日本ダイレクトメール協会「 DMメディア実態調査2021 調査報告書要約版

では、郵送DMが受取手の行動を促した「行動喚起率」はどうでしょうか。送付されたDMの総数に対して、「ネットで調べた」「家族・友人との話題にした」「購入・利用した」など、何らかの行動につながった割合は21.0%という結果が出ています(※1)。

一方で、不特定多数の人を対象とした郵送DMの場合、購入・申し込みにいたるのは全体の0.5〜1.0%というデータもあります(※2)。DMそのものの内容は確認していても、購入・申し込みにいたる割合としては決して高くないといえるでしょう。

※1)参考:一般社団法人日本ダイレクトメール協会「 DMメディア実態調査2021 調査報告書要約版
※2)参考:日本政策金融公庫「 経営 Q&A 売り上げアップにつながるチラシ・DM作成術

郵送DMの反応率は、受取手の企業との関わりによって差が開く場合があります。受取手が既存顧客の場合と新規顧客の場合とでは、次のように反応率が異なるのです。

・既存顧客の場合:反応率5.0〜15.0%程度
・新規顧客の場合:反応率0.5〜1.0%程度
(参考:日本政策金融公庫「 経営 Q&A 売り上げアップにつながるチラシ・DM作成術 」)

つまり、郵送DMのターゲットに応じて目安とする反応率を変える必要があります。このように、反応率と一口に言っても送る相手しだいで解釈には幅があるのです。

次に、開封率・反応率の計算方法について解説します。実際の開封率・反応率を算出した上で、反応率の平均値を上回っているかチェックしてみましょう。

郵送DMの開封率を算出するには、次の計算式を用います。

開封率(%)=開封数/送付数×100

たとえば、送付したDMの総数が5,000通の場合、平均的な開封率67.6%に到達するには3,380通が開封されている必要があります。実際に受取手が開封したかどうかを確認する手段はないものの、1つの目安として押さえておくべき数値といえるでしょう。

郵送DMの反応率を算出するには、次の計算式を用います。

反応率(%)=反応数/開封数×100

送付したDM総数5,000通に対して40件の申し込みや問い合わせがあった場合を想定して、平均的な開封数を元に計算してみましょう。

40件/3,380件×100=約1.2%

平均的な反応率が0.5〜1.0%であることを踏まえると、1.2%の反応率は決して低い数値ではありません。少なくとも反応率を見る限り、このDM施策は成功だったと捉えることができます。

郵送DMの効果を把握するための指標は、開封率や反応率だけではありません。より多角的に郵送DMの効果を検証するためにも、次に挙げる指標を押さえておきましょう。

BEP(Break Even Point:損益分岐点)は、DMにかかったコストを回収する上で最低限必要な受注件数を表す指標です。BEPは次の計算式を用いて求めます。

BEP(件)=コストの合計額/粗利単価

たとえば、DMのコスト合計額が200万円、粗利単価が5,000円の商品の場合、BEPは200万円÷5,000円=400件です。DM施策を通じて400件の受注があれば、損益分岐点を超えたと判断できます。BEPはあくまでも最低限の受注件数のため、郵送DMの効果を高めるには他の指標も組み合わせて分析する必要があるでしょう。

CPR(Cost Per Response)とは、反応1件あたりの顧客獲得単価を表す指標です。CPRが低いほど効率よく顧客を獲得できていることから、郵送DMの効果が高いと判断できます。CPRの計算式は次の通りです。

CPR(円)=広告費/反応件数

DM①のコスト合計額が200万円、反応件数が400件の場合、CPRは200万円÷400件=5,000円です。つまり、1件の反応を得るために5,000円のコストがかかったことになります。一方、DM②のコスト合計が300万円、反応件数が500件であれば、CPRは300万円÷500件=6,000円です。反応件数のみ比較するとDM②のほうが効果的だったように見えますが、顧客獲得単価を比べるとDM①のほうが高い効果を得られたことがわかります。

CPO(Cost Per Order)とは、受注1件あたりの顧客獲得単価を表す指標です。具体的には次のように計算します。

CPO(円)=コストの合計額/受注件数(件)

たとえば、コストの合計額が200万円で受注件数が100件の場合、CPOは200万円÷100件=2万円とわかります。CPOが商品単価よりも低ければ、その郵送DMは効率のよい広告手段だったと判断できるでしょう。

ただし、受注件数に関しては初回の購入・申し込みだけを対象とし、2回目以降の件数は含めないのが一般的です。仮にCPOが商品単価を上回っていても、リピート購入を増やすことで利益を確保できる場合もあります。

郵送DMの効果を総合的に高める上で有効な方法を紹介します。開封率や反応率の改善を図りたい事業者の方は、次に挙げる8つのポイントを実践していくとよいでしょう。

開封率を改善するには、郵送DMをいかに開けやすくするかが重要なポイントとなります。ハサミを使わないと開けられない封筒は避け、ミシン加工や圧着ハガキなどを活用しましょう。

また、開封方法を具体的に記載しておくのも効果的な方法です。受取手が「簡単に開けられそうだ」と感じることによって、念のために内容を確認するという行動を誘発しやすくなります。封筒やハガキを加工するとコストも増すため、費用対効果を考慮した上で開封しやすい工夫を施すことが大切です。

郵送DMが開封されない原因の1つに、他の郵送物に埋もれてしまうことが挙げられます。多数の郵送物と一緒に届けられた場合にも、目立つ外見にすることによって優先的に手に取ってもらえる確率を高められるでしょう。

受取手との関わりを強調するのも有効な方法です。見込み客は自分に関係のある情報ほど郵送物の内容を確認する傾向があります。既存顧客向けの郵送DMであれば、「〇〇をご利用中のお客様へ」といった文言を目立つ箇所に印刷しておくことで、受取手が自分事として捉える確率を高められるはずです。

受取手がメリットを感じる魅力的なオファーを記載するのもおすすめの方法です。試供品の提供やセール優待チケット、クーポン、来店特典、イベント招待といった「お得な情報」が記載されていることを強調しましょう。

魅力的なオファーを記載しておくことで、「内容を確認しないと損をするかもしれない」という印象を与える効果もあります。期限付きのクーポンであることを併記するなど、緊急性を伴う情報であることを示すとより効果的でしょう。

郵送DMを送るタイミングも、DMの効果を大きく左右する要因の1つです。見込み客のニーズが高まる時期を狙い、検討時期の1〜2カ月前に送付することで効果を高められます。

送り先が法人であれば、予算が策定される前の時期が効果的です。送り先が個人の場合、ターゲットのライフサイクルを見極める必要があるでしょう。季節の変わり目や人事異動が多くなる時期の前は新たな需要が増加しやすいため、幅広い分野で商品・サービスのニーズが高まると考えられます。

受取手にとって関心が高いと思われる話題を取り入れるのも効果的な方法です。業界に関わりのある法改正について情報提供を行うなど、相手にとっての関心事をフックにするとよいでしょう。

たとえば、「〇〇法の改正ポイントが一目でわかる」といったコピーが封筒に記載されていることで、念のために確認しておきたいという開封の動機を提供できます。商品・サービスのアピールに終始するのではなく、相手にとって有益な情報を提供することも大切なポイントの1つです。

郵送DMにノベルティや特典を同封するのも有効な方法といえます。封筒に厚みがあることで、受取手は中に何が入っているのか確認しておきたいと感じるでしょう。DMを未開封のまま廃棄しにくいと感じさせる効果もあります。

ノベルティに社名やブランド名を刻印しておくことで、企業の存在を印象づけられるでしょう。郵送DMの施策を継続的に実施する際にも、未知の企業から届くDMよりも印象に残っている企業から届くDMのほうが開封される確率が高まります。

郵送DM単体で情報提供を完結させるのではなく、Webサイトや動画と組み合わせて訴求するのも1つの方法です。郵送DMにQRコード*を掲載し、詳細な情報やDM本体に記載されたクイズの答えを見られるようにする、などの方法が想定されます。

郵送DMを受け取ったことをきっかけに、ターゲットに何らかの行動を起こしてもらうことが大切です。DM経由で商品LPや動画コンテンツを閲覧してもらうことにより、ターゲットの記憶に残りやすくなるでしょう。

*株式会社デンソーウェーブの登録商標です。

郵送DMの施策において、ターゲット選定が適切に行われていることは大前提といえます。提供する情報とまったく関わりのない相手にDMを送っても、興味をもってもらえる確率は低いと言わざるを得ません。

ターゲット選定を的確に行うには、見込み客リストの整備が欠かせません。情報の鮮度が高く、相手の属性が適切に絞り込まれた見込み客リストを作成するのがポイントです。リスト作成ツールを活用して、精度の高い見込み客リストを効率よく作成しましょう。

郵送DMの効果は、開封率や反応率をはじめ多角的な指標を参考に判断する必要があります。平均的な開封率や反応率を目安にしつつ、より効果を高めるための改善策を講じましょう。

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