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FAXDMの効果的なデザインとは?原稿の作り方・チラシとの違い

メールやSNSなど多様な広告媒体が選べる現代においてもなお、効果的な広告手法として活用され続けているFAXDM。低コストかつ省エネルギーで広告を届けられる一方で、FAXDMの効果を高めるには「デザイン」が重要な鍵を握っています。

今回は、FAXDMの効果的なデザインと、具体的な原稿の作り方について取り上げます。原稿を作成するにあたり、チラシなど他の媒体とは異なる注意点がありますので、ぜひFAXDMをデザインするコツをつかんでください。

FAXDMとは、見込み客に向けてFAXで送付するダイレクトメールを指します。原稿とFAX番号リストさえあれば始められるため、現在も幅広い業種で活用されている広告の手法の1つです。

FAXDMは相手先にFAX受信機があれば送付できることから、現状では接点のない新規顧客の開拓に適しています。集客や物品販売のほか、法人向けの新規開拓営業、プレスリリースといった用途が想定できるでしょう。また、1件あたりの送付コストを抑えられるため、一定量のデータ収集が求められるテストマーケティングを実施する場合や、多数の既存顧客に対してアップセルやクロスセルを促す場合にも有効な手法です。

FAXDMには、大きく分けて「レター型」と「チラシ型」の2種類があります。同じFAXDMでも種類によって特性が異なるため、それぞれの強みと注意点を押さえておくことが大切です。

レター型とは、文章が主体のFAXDMです。ビジネス文書に近い体裁のため、広告色を感じさせにくい傾向があります。FAXDMは基本的に予告なく配信されることから、相手先にとって必要な情報とは限りません。届いたFAXが一目で広告だと分かると、内容を読まれることなく廃棄されてしまう可能性もあるのです。その点、広告色を抑えたレター型FAXDMであれば、文面に目を通してもらえる確率が高まるでしょう。

一方で、情報を伝える手段が文字のみであることから、「読ませる」ためのライティング力が問われます。効果的なセールスライティングができれば、商材の特徴やメリットを詳細に伝えることも可能です。視覚的な要素が少ない分、セールスライティングのスキルが求められる点に注意してください。

チラシ型とは、ポスティングチラシや新聞折込チラシなどに類似した形式のFAXDMです。デザインやイラスト、写真などを掲載することで視覚に訴える効果を高められる反面、広告色が強いことから廃棄される確率も高まります。いかに相手の興味関心を引き、目に留めてもらうかが鍵を握る手法です。

商材の外観が重要なアピールポイントとなる場合や、図示して説明したほうが分かりやすい場合にはチラシ型FAXDMが有効です。文章だけでは伝わらない要素も含めて、視覚的に訴求できる点はレター型FAXDMにはない強みといえるでしょう。ただし、FAXはモノクロで出力されるため、色を使った表現には対応できません。色合いが重要な要素となる商材に関しては、FAXDMでは魅力を十分に伝えられない可能性もある点に注意しましょう。

FAXDMをデザインする際には、レター型・チラシ型を問わず共通するポイントがあります。FAXDMの訴求効果を高めるのはもちろんのこと、相手方に迷惑をかけないためにも次の点に留意して作成を進めてください。

FAXの特性上、表現できる色は白と黒のみです。原稿の段階からモノクロで作成し、その他の色を使った表現は避けるべきでしょう。出力後のイメージを把握しておくためにも、はじめから白と黒の2色のみで原稿作成を進めることをおすすめします。

モノクロであっても、グレーなどの中間色やシャドウ、グラデーションなどの効果は使用を避けたほうが無難です。出力時の解像度によっては正常に出力されない恐れがあるだけでなく、データサイズが肥大化する原因にもなりかねません。FAXDMは相手が望んで受け取る情報ではないため、受信に時間を要するとストレスを与えてしまう可能性があります。クレームに発展するなどのトラブルを避けるためにも、原稿は必ず白・黒の2色のみで作成しましょう。

FAXDMには画像(写真)はできるだけ掲載しないほうが得策です。FAX受送信機は高解像度の入出力を前提に設計されていないため、画像の再現性が低く掲載した内容が伝わりにくくなる恐れがあります。掲載した商材などの写真が汚れて見えてしまうなど、かえって印象を悪くする原因にもなるため、掲載する画像は必要最小限に留めてください。

また、画像は文字と比べてデータサイズが大きくなりがちです。データサイズが大きくなると受信に時間がかかるだけでなく、より多くのインクを消費してしまいます。受け取り手の企業に迷惑をかけないためにも、画像はできるだけ掲載しない方向でデザインを考案しましょう。

FAXDMの原稿を作成する際には、文字サイズやフォントの種類にも気を配る必要があります。小さすぎる文字や細すぎるフォントは、潰れたりかすれたりして読めない可能性があるからです。最少フォントサイズは10ポイント以上に設定し、ゴシック体など太さが一定のフォントを選ぶほうが可読性を高められるでしょう。

なお、細かい文字がびっしりと並んでいるFAXDMは、相手の読む意欲を削いでしまいがちです。タイトルと本文を明確に分け、フォントサイズに緩急をつけるなど、メリハリのあるデザインを心がけてください。文字サイズの差を「ジャンプ率」といい、ジャンプ率を適度に高く設定するほうがインパクトの強いデザインになるといわれています。タイトル・本文・補足事項のように文面の要素を3種類程度に分け、ジャンプ率を考慮した上であらかじめフォントサイズを決めておくことをおすすめします。

レター型FAXDMは文章が主体のため、チラシ型DMと比べると簡単に作成できるイメージが強いかもしれません。しかし、文章だけで広告文を読ませるにはセールスライティングのスキルが不可欠です。レター型FAXDMの原稿を作成する際には、次の点を意識して構成することをおすすめします。

レター型FAXDMを作成する際には、受け取り手の視線の動きを意識することが大切です。人は通常、文章を上から下へ(縦書きの場合は右から左へ)読み進めます。つまり、冒頭部分をまず確認し、何の用件に関する文書であるかを見ることになるはずです。

レター型FAXDMの冒頭には、タイトルとキャッチコピーを配置することになるでしょう。思わず続きが読みたくなるような「強い」キャッチコピーが必要です。紹介する商材のメリットや特徴が端的に伝わる一言を掲げ、受け取り手の興味を引きましょう。

人の興味を引くキャッチコピーの鉄則は「短く簡潔であること」に尽きます。長々としたキャッチコピーは避け、短い一言で商材のセールスポイントを表現してください。

FAXDMは、受け取り手にとって本来関わりのない企業から突然送られてくる文書です。どれほど魅力的に見える売り文句を列挙しても、具体的な実績や根拠が記載されていなければメリットはほとんど伝わらないでしょう。

商材の説明文や特徴の解説文には、実績や根拠を必ず明確に示すことが大切です。具体的な数値を示し、客観的な効果やメリットを明確に伝える必要があります。

【実績・根拠の書き方の例】
・コストパフォーマンスに優れています→×(具体性に欠ける)
・年間20%のコスト削減効果を実現→〇(具体的でイメージしやすい)

具体的な導入事例があれば、積極的にアピールしましょう。FAXDMを受け取った相手は、自社で導入した場合の効果を他社の事例を元に推測するはずです。実績は効果やメリットの根拠にもなるため、説得力が増す大きな要因にもなり得ます。

もしFAXDMの受け取り手が商材に興味を引かれたとしても、具体的にどうすればよいのかが不明では期待する効果は得られません。単に「詳細はお問い合わせください」としか書かれていなければ、わざわざ電話をかけて問い合わせようとする見込み顧客は稀でしょう。

申込方法や資料請求先など、相手がどのような行動を取ればよいのかを具体的に示すことが大切です。申込フォームのURLや問い合わせ先のメールアドレスが一目で分かるように記載する必要があります。

また、相手に求める行動は1つだけに絞らず、複数の方法を選べるようにすると取りこぼしを防げます。たとえば、資料請求はハードルが高いと感じたとしても、無料メルマガであれば登録してもいいと感じる人は少なくないでしょう。動線を複数用意し、興味関心の度合いに応じて行動を選択しやすくすることをおすすめします。

次に、チラシ型FAXDMの原稿を作成するコツを紹介します。チラシ型FAXDMはデザイン要素が強いため、レター型FAXDMと比べて自由度が高いのが特徴です。一方で、掲載する要素や優先順位を誤ると、かえって見づらくなってしまうリスクが高まります。次に挙げるポイントを押さえ、見やすく伝わりやすいチラシ型FAXDMを作成しましょう。

チラシ型FAXDMの構成は、一般的なチラシのデザインに準じます。全体を3ブロックに分け、見出し・内容・連絡先の三部構成とするのが基本です。FAXDMを手にした相手は、まず見出しを確認し、内容を読むべきかどうかを判断します。つまり、キャッチコピーやタイトルでいかに相手の興味を引くことができるかが鍵を握っているのです。

FAXDMは白黒で出力されるため、複雑で入り組んだデザインは雑然とした印象を与えがちです。カラーであればすっきりとまとまるデザインでも、モノクロでは適切な表現が難しいケースは少なくありません。あくまでもシンプルに、見やすさを重視したデザインを心がけましょう。周囲には適度に余白を確保し、圧迫感の少ないレイアウトにすることも重要です。

FAXDMは反応率の高いアプローチ方法ではないことから、見た目のインパクトを重視しがちです。しかし、インパクトを打ち出すことに終始してしまうと、かえって広告色が強まり敬遠される恐れがあります。必要なアピール要素は盛り込みつつ、全面が宣伝文で埋め尽くされたデザインにならないように注意しましょう。

たとえば、相手にとって有益と思われる情報を掲載するのも1つの方法です。「ご存知ですか?〇年〇月に法令が改正されます」のように、相手にとって把握しておくべき情報が記載されていれば、目を通す意義のある情報として認識されやすいでしょう。見た目のインパクトを打ち出すことに終始せず、有益な情報を盛り込むことで具体性を持たせることが大切です。

チラシ型FAXDMはデザインの自由度が高いため、見る人の視線の動きを意識したレイアウトがレター型以上に求められます。横書きであれば左上から右下のZ型、縦書きであれば右上から左下のN型に視線が移動することを前提に、読み手の視線の動きに合わせて情報を配置しましょう。

視線の移動とともに「興味を引かれる」「内容を読み始める」「どう行動するべきかが分かる」といった意識の変遷を辿るのが理想です。レイアウトと記載されている情報が合致しているか、FAXDMの作成に携わっていない従業員にチェックしてもらい、違和感を覚える点がないか送付前にヒアリングすることをおすすめします。

FAXDMはリストと原稿さえあれば始められる営業手法のため、現在でも根強い人気があります。一方で、FAX特有の性質や広告制作の基本的なノウハウを把握した上で作成することが、反応率を大きく左右しかねません。今回紹介したポイントを参考に、ぜひ効果的なFAXDMの作成に挑戦してください。

FAXDMを送付する際に必須となるFAX番号リストをできるだけ効率よく準備することも大切なポイントです。企業リスト作成ツール「 Urizo(ウリゾウ) 」を活用すれば、iタウンページやハローワークなど30以上のサイトからFAX番号を自動で収集できます。約240万件以上の最新のFAX番号を地域や業種を絞り込んで活用できるため、FAX番号の誤りや変更による不達のリスクも軽減できるでしょう。1,600件分のリストを無料版でご利用いただけますので、ぜひ企業リスト作成ツールUrizoをお試しください。

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